MR室へ向う通路(2010年10月撮影) |
昨年の今日、脳梗塞になった。
正確には日付が17日に変わる前の真夜中にまず第一弾が来た。
帯状疱疹で苦しんでいた時にも何度かあった右目奥の焼け付くような痛みが突然やってきて、続けて左の手足の先にしびれが出た。
左半身にだけ反応が出るってことは脳に問題があるんだな、と瞬時に分かったから焦った。が、15分ほどうずくまって静かにしていたらしびれは治まった。(この時は梗塞は一瞬ですぐに血栓が流れたと思われる)
何だ、取り越し苦労だったか・・・とほっとしながらも、何となく不安はあった。彼の「大丈夫、大丈夫」の言葉を信じてその晩は眠りについた。
翌朝、いつものように起きて朝食を食べ、洗濯物を干して編み物をしていた。
昼過ぎにトイレへ行って出て来たところでまた右目奥に鋭い痛みがやってきた。そしてしびれも。今度は昨夜のと違ってしびれが消えない。むしろ少しずつ増している。
これはおかしいと思って即、ドクターへ電話したら「すぐに来て」と言わた。
最初は電車で行こうと思ったのだけど、駅に辿り着く前に歩けなくなってしまった。彼に支えられてタクシーに乗って病院へ向った。(救急車を呼べば良かったのに、と後でドクターに言われた)
緊急外来で問診を受け、すぐ頭部のMRIを撮ったものの画像に異常は認められなかった。でも確実に左半身は動かなくなってくる。口もろれつが回らなくなってきた。意識ははっきりしてるのに。
とりあえず入院となり、ベッドの上に寝かせてもらうがしびれが強いし左半身の麻痺が進行して自由にならなくなってきた。
脳神経外科の医者やら何やらぞろぞろ来る度に何度も同じことを話すが治療方針が決まらない。
素人目に見ても脳梗塞の徴候がいくつも出ているのに、MRIの画像に異常がなかったので何も出来ないのだ。悔しさと苛立ちが募った。
結局何もせず一晩過ごした間に完全に左半身は動かなくなった。この夜は本当に長かった。
症状にすぐ気付いて早く病院へ行っても、検査に異常がなければ何もしてくれないんだなぁとつくづく思い知らされた。
翌日の昼前にもう一度MRIを撮り、今度は梗塞が認められたので、ようやく溶血剤(ヘパリン)の点滴が開始される。梗塞が脳幹(呼吸や体温調節など基本的な生命現象をつかさどる)にあったため、24時間モニタリング(血中酸素、心電図)され、嚥下に問題なしと判断されるまで飲食は一切禁止になった。歩けないので尿の管にカテーテルを挿入され、オムツをする(人生最大の屈辱!)。
そんな管だらけでベッドに張り付いた状態から車椅子に移り、リハビリを毎日するようになって徐々に体を動かせるようになり、何とか3ヶ月で退院した。退院してからは毎日の生活がリハビリとなった。未だに原因は分からないが、排尿のコントロールがうまく出来なくなってかなり悩んだ時もあった。手先はかなり動かせるようになったのに、脚の回復は遅く歩行距離が伸びないことに焦りを感じている。
色々あったけど、兎にも角にも1年経った。
この1年間、いつもに増して手のかかる私に根気強く付き合ってくれた彼に感謝。
彼の支えあって何とかここまで来れた。
梗塞後しばらくは左半身が自分の一部って気がしなくて(マネキンの手足を左側に引っ付けたみたいな感じ)違和感があったけど、さすがに今は自分の体として認識してる。でも、右と左の脚に均等に体重を乗っけて立ったり歩いたりする事は未だに難しさを感じる。左足首を回すのはかなり出来るようになった(足首がうまく動かないと歩行が難しいと理学療法士に言われていた)。
上半身に関しては、左肩甲骨の周りの筋肉が衰えたままで、腕を上げたり回したりするのがスムーズに出来ない(右と同じように出来ない)。彼の勧めで肩の上げ下げや肩回しをこの1週間ほど続けているが、効果が現れるのはもう少し先だろう。
肘や手首は大分安定してきたので、お味噌汁のお椀くらいなら左手に持って口まで運べるようになった。でも8分目くらいに水を入れたグラスを左手で運ぶのは難しい(肘がぐらぐらして水をこぼしてしまう)。両手を使ってドライヤーで髪を乾かすのと爪を切るのはほぼ出来るようになった。
失うのはあっという間だったけど、失った動きを取り戻すのはカタツムリのごとくスローペースだ。
スローだけど、確実に出来る事は増えてきている。
あの日を境に私の身体は大きく変わってしまった。
今もしびれは消えないし、日によって左半身の状態がころころ変わるのでそれに対応するのが難しい。加えてに膠原病(SLEと多発性筋炎)もあるので簡単にリハビリが進まない。
それでも1つしかないこの体で生きていくしかないのだから、己の自然治癒力を信じてこれからまた1年大事に過ごしたいと思う。
<久しぶりの握力測定>
左:15kg 右:22kg (前回値よりも左は1.5kg↑、右は2kg↑)
2 件のコメント:
もう1年経つんだね。つい最近のことのように覚えているよ。今は歩けるまでに回復しているけど、あの時は全然想像出来ないくらい絶望的に見えた(;_;) でも、今はそうじゃない!リハビリは聞いてるだけで、大変だし難しいと思うけど、うちらが出来ることはサポートするから!p(^^)q
1年ようやく経ったのか、もう経ったのか・・・色々有り過ぎたね(苦笑)。
アナタにも大変お世話になりました。
人間の形した塊から徐々に人間らしくなれたのは彼とアナタのサポートのお陰です。
ありがとうね!!
また夜の散歩の件でメールすんね!
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