2016年3月4日金曜日

旧前田家本邸&日本民藝館




気持ちの良い晴天の下、駒場公園内にある、『 旧前田家本邸 』へ行く。

この建物は旧加賀藩主の前田家の第16代当主、前田利為が自邸として当時の技術の粋を集めて建てたもので、洋館は1929年(昭和4年)に、和館は翌年に竣工された。

戦後、アメリカの空軍司令官の官邸として接収された時期があったものの、1964年(昭和39年)からは東京都が所有し管理している。

美しいアーチのエントランスから建物の中へ入ると、ため息が出てしまうような豪華な部屋が続く。
大理石があちこちに使われ、シャンデリアも色々な種類があり、各所に施された彫刻も見事。



←玄関から入ってすぐ右手にあるサロン。

ここは11時半から「カフェ・マルキス」として使われるけど、私達が行った時はまだやっていなかった。



洋館の1階は主に晩餐会を行うの社交の場として使われ、2階が家族の生活の場となっていたらしい。

落ち着きのある木の壁、白大理石の暖炉にシックなシャンデリア、グランドピアノ・・・華やかな社交界のシーンを想像してしまう見事な広間に魅了される。


大食堂


1階を一通り見学し、これまた美しい彫刻が施された階段(↓)を上って2階へ。
ステンドグラスから入ってくる光も何だか高貴な感じ。



2階は家族の生活の場、と言っても細部まで凝った作りの部屋が多かった。
「旧夫人室」も素敵な調度品でまとめられている↓ こんな空間でお茶してみたいわ。


他に書斎、夫婦の寝室、子供たちの部屋、会議室、使用人たちの部屋(こちらは装飾気なしの質素なもの)、と一通り見て見学終了。いや~、広い。家の中で迷子になりそう(笑)。

帰り際、先程見たサロンでカフェがオープンするべく準備している所だった。
ここで優雅な気分でコーヒーを飲むのも良かったんだけど、お腹が空いていたのでランチを食べに同じ公園内にある、「日本近代文学館」へ向かう↓



近代文学に関する総合資料館、専門図書館。

本や雑誌の他、作家の原稿など、107万点もの資料を収蔵している建物だそう。


本日はこの文学館内にあるカフェ、『 BUNDAN COFFEE & BEER 』にてランチ↓



ドアのないオープンな空間へ足を踏み入れると、右手の壁には天井まで届く本棚が幾つも並び、様々なジャンルの本でぎっちり埋まっている(約2万冊あるらしい)。

店員さんに、「お好きな席へどうぞ」と言われたので、本棚の近くのテーブル席についた。



「文壇」カフェだけあってここのメニューがユニークで、コーヒーのブレンド名に文豪の名前が付いていたり、小説の中に出てくる食べ物がメニューになっていたりする。

ホームズ好きの私は、『シャーロック・ホームズのビールのスープとサーモンパイ』とコーヒーの『AKUTAGAWA(芥川)』を、夫は、『「ハードボイルド・ワンダーランド」の朝食セット ( ソーセージ、サラダ、マッシュポテト、バケット ) 』とコーヒーの『OUGAI(鴎外)』を注文する。

食事が出てくるまで割と時間がかかったけど、私も夫も近くにあった本や漫画を見て過ごした。
小さくジャズが流れている店内は居心地がよく、本が好きな人なら誰でもすぐ気に入りそう。


料理は予想していたより美味しく(失礼!)、夫も黙々と食べておりました。
ビールのスープは最初に苦みが来るのに後から甘みとまろやかさが来て不思議な味だった。
コーヒーも飲みやすく後味すっきりで美味しかった。(お代わりは200円で飲めるそう)


今まで入った事のないタイプの居心地のいいカフェ・・・近所にあったら時々行きたいなぁ。

文学館の建物から出て、旧前田家の和館(→)の前を通って駒場公園から出る(今回は和館は見学せず)。




まるで田園調布のような高級住宅が並ぶエリアを通って次に向かったのは、『日本民藝館』↓




特別展、「美の法門-柳宗悦の美思想」が開催中(3/21まで)。



古今東西の工芸品を収蔵(約17,000点)し、展示している美術館。

思想家の柳宗悦(1889-1961)が企画し、実業家の大原孫三郎氏を始め多くの賛同者の援助を受けて1936年に開設された建物。
旧館(1936年に竣工した木造部分)と鉄筋コンクリート造りの新館(1983年竣工)が内部で連結されている。


写真撮影は禁止されているので内部の写真が無いのだけど、木がふんだんに使われた落ち着いた空間の中で日本や世界各地の民芸品(陶磁器、染織、木漆工、絵画、金工他)を見る事が出来た。



人々の生活の中で実際に使われていたものが多い分、工芸品は見る人に色々な想像力を与えてくれるように思う。手間暇かけて作られた物はやはり味があって良いなぁ。

併設のミュージアムショップには器やカゴ、布製品などが販売されていて思わず買いたくなったけど、置く場所がないので我慢した。


入館料1,100円はちと高い気がしたが、充実した展示で満足した。
本館の道路を挟んで向かいにある西館(旧柳宗悦邸)は月に数回だけ公開されているらしいけど、今日は開いてなかったので見学できず。



井の頭線の駒場東大前駅から電車(→)に乗って吉祥寺へ行き、ローズベーカリーとDEAN & DELUCAでおやつを調達して帰った。

歩くとすぐ暑くなってダウンジャケットの前を開けたけど、今日は日中15度を越えていたらしい。いよいよ春らしくなってきたな。


万歩計は8,070歩をカウント。これぐらいがちょうどいい気がする。
豪華だけど落ち着いた佇まいの旧前田家本邸に、各所から集められた民芸品たち・・・良質なものを見れた一日だった。ユニークなカフェ、BUNDANでのランチも良かったし。

家に帰ってショックだった事は、ローズベーカリーのパンや菓子に以前は無かった添加物が入っていたこと!本家のローズさんの理想とはかけ離れているような気がするが、彼女は承知しているんだろうか?
夫に「サラダの質が落ちた」と言われて以来、何となく足が遠のいていたローズベーカリー・・・遂にサラダだけじゃなくなったらしい。同じ品質の物を作り続けるって難しい事なんだろうけど、気に入っていた店がこうして劣化していくのは悲しい事だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿