いつぶりか思い出せないけど、かなり久しぶりにコンサートへ出かけた。
所沢にあるミューズというホールで開催されたクリスチャン・ツィメルマンのピアノ・リサイタル。
演奏された曲目は、ベートーベンのピアノ・ソナタ、30番、31番、32番。私達夫婦が好きなソナタである。
実は彼のリサイタルへ行くのは今回が2度目。
前回は2006年6月に、やはり同じホールで聞いた。曲目は覚えていないが、最後に弾いたショパンの曲は素晴らしかったと記憶している。
我が家にも彼のCDが何枚かあるし、彼のベートーベンのピアノ協奏曲はお気に入りでもある。
世界屈指のピアニストとも言われる有名な人だ。
しかし。
今晩のリサイタルは心が震えるような演奏ではなかった。
テクニックは凄いと思うけど、心がこもっていないというか。上手く説明できないけど、弾き急ぐような、乱暴で、ベートーベンの晩年の美しいソナタを大事に弾いているとは思えなかった。
私達がエミール・ギレリスの弾くベートーベンに耳が慣れているせいかもしれないけど、ツィメルマンのベートーベンは全くしっくり来なかった。体調が悪かったのか、単に彼の腕が落ちたのかは分からないけど・・・夫に言わせれば、「Two thumbs down」だそうな(苦笑)。
最後の最後まで納得のいかない演奏が終わって外へ出ると辺りは真っ暗。
イルミネーションが青く輝いていた。
ホールの中は暖房が効いて暖かかったので外の寒さが体に応える。
帰り道も、家に帰った後もしばらく夫と何だかんだと今日のリサイタルについて話した。
やはりギレリスの弾くベートーベンは完璧なまでに素晴らしい、彼を超えるベートーベン弾きは今後現れないんだろうな・・・、とか。
本当は11月に行われる予定だった公演がツィメルマンの体調不良により延期になって今日行われたリサイタル・・・キャンセル待ちして何とか手に入れたチケットだったけど、正直お金と時間をかけて聞く価値はなかった。残念。
これに懲りたのでしばらくコンサートは行きたくないな・・・(苦笑)。
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