| 2015年に出版された新訳版 |
先月同様、今月も何だかバタバタしていてゆっくり本を読める時間が作れず。
読んだ本は相変わらずミステリーが多く、ここ最近はシムノンのメグレシリーズを再読も含めて何作か読む。昔の作品も意外に読めるなぁと思い、1942年に出版されたウィリアム・アイリッシュの小説「幻の女(原題: Phantom Lady)」を借りて読んでみた。
「幻の女」のあらすじはこんな感じ↓
ある晩、主人公の男は外出前に妻と大ゲンカをして家を飛び出す。たまたま入ったバーで見かけた、奇妙な帽子を被った見知らぬ女に声を掛け、妻と行くはずだったレストランで一緒に食事をし、劇場でショーを見て酒を飲んで別れる。家に戻った男を待っていたのは妻の死体と刑事2人だった。
妻を殺害した容疑を掛けられた男はアリバイを証明する為、例の帽子を被った女を探すが見つけられない。その上バーテンダーやタクシーの運転手など、男が女と一緒に居る所を見たはずの人達から「男は見たが女は居なかった」と証言される。死刑宣告を受けた主人公を何とか救おうと友人や恋人(妻と離婚したら結婚するつもりだった女)が幻の女を探し始める・・・。
至る所に防犯カメラがあって科学捜査の技術が進んだ現代では考えられない話。しかし物語の時代はこの本が出版された頃の設定だから、運悪くこんな事態に陥ることもあり得るかもしれない。タイムリミットが迫る中、死刑判決を覆せそうな証人が次々と死亡し、真犯人になかなか辿り着けない。
最後の最後までハラハラさせられたけど、意外な犯人と謎の女の正体が分かり幕は下りる。若干疑問も残ったものの、評判の高いサスペンス作品だけあって見応え十分で面白かった。
<今月読んだ本>
・TRANSIT NO.69 Autumn 2025/特集: 永久保存版 続・世界のパンをめぐる冒険 進化論(雑誌)
・ジョルジュ・シムノン/メグレと若い女の死(原題: Maigret et la jeune morte)
・原田マハ/丘の上の賢人-旅屋おかえり
・伴田良輔、今村規子、山岸吉郎、河西見佳/懐かしいお菓子-武井武雄の『日本郷土菓子図譜』を味わう
・東京 暮しの手帖社/暮しの手帖 第37号 2025-8-9月号(雑誌)
・ジョルジュ・シムノン/メグレとマジェスティック・ホテルの地階(原題: Les caves du majestic)
・河合隼雄/大人の友情
・ウイリアム・アイリッシュ/幻の女(原題: Phantom Lady)
・大平一枝/台所が教えてくれたこと-ようやくわかった料理のいろは
・東京 暮しの手帖社/暮しの手帖の傑作レシピ 2020保存版
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