| 棟方志功は版画を「板画」と呼んでいたそう |
今月は「帰省」という一大イベントがあって月の後半は殆ど本を読めなかった。
(1ヶ月前に切符を取り、誰に何を土産に買っていくか思案し、土産買いに行って予め実家に発送。それから荷造りして帰省。東京に戻ってからも写真整理とかで帰省前後は精神的に落ち着かない)
そんな中で読んだ原田マハの3作品はどれも面白かった。
弱視で思うように絵が描けない棟方志功が版画と出会い、独自のやり方で木版画を極めていく姿を棟方の妻、チヤの目線から描いた物語、「板上に咲く-MUNAKATA: Beyond Van Gogh」。
あの見れば棟方志功の絵だ、と分かる独特の版画絵は棟方が出会った人々や海を離れたゴッホの影響を受けて少しずつ築かれたものだと知った。改めて実物を見に行ってみたい。
とにかく旅が大好きな原田マハが仕事の取材で訪れた世界各地の話、気心の知れた友人や本の担当編集者と共に日本各地を旅する話など、旅の楽しさ満載の「フーテンのマハ」。
「旅屋おかえり」はそんな旅好きマハさんの実体験も多く反映されたと思われる作品。
主人公は売れない32歳のタレント、“おかえり"こと丘えりか。自分の失態で唯一レギュラーだった旅番組が打ち切られ、途方に暮れている時にある出来事がきっかけで依頼人の代わりに旅をする「旅代理業」を始める。旅をすることの心地良さが感じられるお話。
私の中で帰省は旅じゃない。そう考えると最後に旅をしたのは2019年2月の京都1泊2日の旅か。コロナが大流行してから遠出する事が殆どなくなってしまったけど、マハさんのエッセイと小説を読んだらどこか知らない場所に旅したくなった。心の洗濯は大事だよ。
<今月読んだ本>
・イリナ・グリゴレ/優しい地獄
・ジョルジュ・シムノン/男の首(原題: La Tête d'un homme)
・タサン志麻/志麻さんの台所ルール
・ジョルジュ・シムノン/黄色い犬(原題: Le chien jaune)
・東京 暮しの手帖社/食事と暮らし
・谷川俊太郎/世界が問いである時答えるのは私だけ
・原田マハ/フーテンのマハ
・原田マハ/板上に咲く-MUNAKATA: Beyond Van Gogh
・原田マハ/旅屋おかえり
・山極寿一、鈴木俊貴/動物たちは何をしゃべっているのか?
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