一眼で撮り直したいな~と思っていた、江戸東京たてもの園へ出掛ける(11年ぶりの再訪)。
バスを降りて小金井公園へ入ると菜の花の黄色が目に飛び込んできた。園内には沢山の桜の木があるけど、花はまだつぼみだった。
広い公園の奥にたてもの園の入り口、ビジターセンターがある→
歴史的建造物、「旧光華殿」を改修した建物なんだそう。
大人一人400円を払ってたてもの園の敷地に入り、まずはセンターゾーンを通って東ゾーンを見学することにする。
たてもの園は1993年に江戸東京博物館の分館として造られた野外博物館で、江戸から昭和初期にかけての歴史的建造物(30棟)が展示されている。
茅葺き屋根の天明家(農家) |
立派な庭付きの高橋是清邸の中を見学した後、西川家別邸と会水庵をさらっと見て、東ゾーンにある天明家(てんみょうけ)へ行く↑
何だか煙臭いなぁと思ったらこの家からもくもくと出ていたのよね。
中へ入ると囲炉裏に薪がくべられていて白い煙が充満していた。ボランティアの人が定期的に燻煙(煙でいぶして害虫を駆除する)をしているそう。
そのボランティアのご老人2人に「こっちからいい写真が撮れるから上がって来なされ」と強く勧められたので部屋に上がって撮らせて貰った→
ちょっと居ただけなのに、全身すっかり煙臭くなって退散する(苦笑)。
東ゾーンの端っこに蝋梅が咲いていて良い香りを放っていた↓
バックの建物は村上精華堂(化粧品店) |
村上精華堂の近くに都電7500形が展示されている→
かつて渋谷から新橋まで走っていた車両らしい。今は荒川線しかない都電だけど、昔は他の線もあったのね。
このレトロな黄色とかわいい形が好きだな~。
マップを見ながら東ゾーンの奥へと進んで行く。
建物の一つ一つを見ていくと時間が掛かってしまうんだけど、どれも面白いんだよね。
植村邸(左)と乾物屋(右) |
昔の住宅を見るのも興味深いんだけど、商店を見るのがまた楽しい。
乾物を売る大和屋本店の中へ入ると、当時量り売りをしていたするめや昆布、干し椎茸、卵なんかが陳列されていた。鰹節は立てて陳列されていて驚いた。
魚の缶詰のパッケージのデザインもレトロ→
ラベルの絵の子供の顔が日本人なのか西洋人なのか分からない、ちょっと不気味(笑)。
「煮和大をつか」って文字を右から左に読むのも昔だよね。
他にも文具店、生花店、醤油店、旅館などの建物を見学する。
(中に上がる事は出来ないけど、玄関や裏口から部屋を覗く事ができる)
ちゃぶ台や茶器、タンスや掛け時計、黒電話・・・こういうアイテムが当時の雰囲気をよく出している。
近くで見学していた年配の人は懐かしさの余り、連れに昔話を熱く語っていた(笑)。
次は前回来た時には入らなかった、東ゾーン奥にある銭湯、「子宝湯」へ向かう。
写真右の建物が「子宝湯」 |
神社仏閣を思わせる外観の銭湯、なかなか見応えがあります。
ここは中に入って見学出来るので、私だけ入る事に(夫は靴を脱ぐのが面倒でパス)。
女湯は若いオナゴ2人組がきゃあきゃあと撮影会をしていたので、私は男湯を見学(笑)。
脱衣所は広くて開放感があるね。鏡の上に貼ってある店の宣伝も面白い。
そして、浴場へ入ると・・・
壁にどどーんと富士山が描かれていた。
まさしく銭湯!の図だけど、女湯からは富士山がよく見えないって事?
銭湯って余り馴染みがないけど、こんな絵を見ながらお湯に浸かるのもいいかもね。
正午を回ってお腹が空いてきたので、ランチを食べるべく西ゾーンへ移動する。
たてもの園でご飯が食べられるのは、東のうどん屋と西の洋食屋の2ヶ所だけ。
←西ゾーンにある復元建造物、「デ・ラランデ邸」内にあるカフェ、「武蔵野茶房」でランチ。
赤い屋根がかわいい洋館。何となくサツキとメイの家みたい?
中へ入ると天井には大きなシャンデリア、壁も家具もゴージャスでなかなか良い雰囲気。
外にテラス席もあったけど今の時季は開けていないみたい。
食事メニューはカレー、ハヤシライス、ジャーマンライスの3種のみで私も夫もカレーを食べた→
食べ終わった後は西ゾーンの散策開始・・・と言っても、東ゾーンの建物を見ただけで既に疲れていたのでささっと見る事にする。
茅葺き屋根の農家の家2軒(吉野家と綱島家)は外からぐるっと見て回っただけ。
それから三井八郎右衛門邸へ行き、ここは1階だけ内部を見た↓
ふすまの絵が豪華な食堂 |
常盤台写真場(写真館)はスルーし、瓦屋根の洋館、田園調布の家(大川邸)を見学↓
当時としては珍しい全室洋間、今まで見てきた建物と比べると大分現代に近づいてきた感じ。
そして、最後に見学したのが建築家、前川國男の自邸↓
玄関はこの裏手(北側)にある |
三角の形をした木造家屋は、ぱっと見ただけで何か惹きつけられるデザイン。
1942年に品川区上大崎に建てられた住宅。
何の前知識もなく入ったんだけど、中はシンプルな作りで無駄のない美しさ。
この家が一番自分の好みだった(てか、こんな家なら住んでみたい!)。
ロフト風の2階は見学不可 |
戦時下で建材が入手困難だった事から、サッシのレールや車輪が木製だったのにはびっくり→
限られた資材と建坪100㎡以下という制限(当時の建築統制規則による)の中で建てられた家とは思えない、洗練されたデザインと居心地が良さそうな空間。
↓玄関から入って突き当りにある書斎もすっきりとしたデザインで仕事がしやすそう。
机脇に置かれた電気スタンドやTV、置き時計も何気にお洒落。
カーテンじゃなく障子ってのも何だか新鮮で、全然古さを感じない。
いや~、ここを最初に見ておくべきだったなぁ。
疲れていて色々なアングルで写真を撮らなかった事を今になって後悔している(苦笑)。
そんなこんなで、たてもの園の見学終了。
最後は急ぎ足で見たとは言え、気付けば3時間ほど滞在していた。
前回ここを訪れた時はちょうどお花見シーズン真っ盛りで、人が多くてじっくり建物内を見学できなかったんだけど、今回は人も少なくてゆっくり見れた。
建物だけじゃなく、あちこちで季節の花や木々も見れて散策するのが楽しい野外博物館。
近くにあったら友の会に入って時々行くのにな~。
万歩計は10,062歩をカウント。
建物へ入るのに靴を脱いだり履いたり、段差のある場所を歩くのが結構きつかった。
こういう場所へ行く時は脱ぎ履きが楽な靴で行かないとね(←教訓1)。
写真いっぱい撮れたし、楽しい外出だった。
・・・んだけど。帰宅したら置いて来た携帯に父から2度も電話が入っていて、折り返したら祖母が深夜遅くに緊急入院したそうで。一気にずーんと重い気持ちになってしまった。
夫と出掛ける時はいつも携帯は家に置きっぱにしていたけど、こういう事もあるから携帯はやはり持ち歩かないといけないのね(←教訓2)。
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